1 52歳の男性。糖尿病で治療中である。胸痛を訴え倒れたため、同僚が救急要請した。
救急隊到着時、心肺停止状態。前額部の挫創と右前腕の変形とを認めた。心電図モニ
ターは心室細動であり電気ショックにより、現場で心拍再開した。搬送先医療機関とし
て三次救急医療機関を選定した。
医療機関の救急外来で救急科の医師とともに、直ちに診療を行うことが想定される
診療科はどれか。1つ選べ。
1 麻酔科
2 整形外科
3 循環器内科
4 脳神経外科
5 内分泌代謝・糖尿病内科
2 30歳の女性。うつ病の既往があり、連絡が取れないため心配した友人が訪問した。
アパート1階、玄関ドアは鍵が掛かっていなかったため中に入った。室内にはおらず、
浴室ドアは鍵が掛かっており人影が見えたが声をかけるも応答がないため救急要請し
た。救急隊は「30歳女性、浴室内、急病人」の指令内容により単隊で救急出場した。
救急隊到着時、友人の案内で浴室に向かうと、浴室ドアに張り紙が貼ってあった。写
真(別冊No.7)を示す。
救急隊が直ちに行うべき対応はどれか。1つ選べ。
1 警察へ通報する。
2 鍵を壊し救出する。
3 状況を再聴取する。
4 進入可能な窓を探す。
5 消防隊を応援要請する。
3 53歳の救急隊員の男性。以前から消防署内の人間関係のストレスがあり、離婚問題
も抱えていた。ある日運転する救急車をガードレールにぶつける自損事故を起こした。
搬送傷病者はおらず、同乗中の同僚救急隊員にけがはなかった。本人は打撲程度の軽傷
であったが病院受診し明らかな外傷は認められなかった。その後、高校卒業以降35年
間の記憶が消えていることに気づいた。
このストレス反応で認められるのはどれか。1つ選べ。
1 解離症状
2 回避症状
3 覚醒症状
4 陰性症状
5 再体験症状
4 65歳の男性。突然倒れたため家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS100。呼吸数32/分。脈拍44/分、整。血圧
192/106mmHg。右上下肢を動かさない。右足底の小趾側を強く刺激したときに母趾の
背屈と2~5趾の開扇現象が出現した。
この神経所見はどの反射に分類されるか。1つ選べ。
1 腱反射
2 病的反射
3 表在反射
4 筋伸展反射
5 迷走神経反射
5 45歳の男性。薬物乱用者の事情聴取中に反応が鈍くなったため警察官が救急要請し
た。
救急隊到着時観察所見:意識JCS20呼吸数36/分。脈拍124/分、整。血圧
200/110mmHg。SpO2値95%。異常な発汗と瞳孔散大とを認める。
この傷病者が曝露した可能性があるのはどれか。1つ選べ。
1 トルエン
2 ヘロイン
3 モルヒネ
4 エタノール
5 アンフェタミン
6 18歳の女性。朝食にパンを食べた後ランニングをしたところ気分不良となったため、
友人が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS20。呼吸数28/分、整。脈拍135/分、整。血圧
80/60mmHg。SpO2値90%(室内気)。皮膚は紅潮している。自己注射用アドレナリン
は所持していない。
酸素投与を開始した後に、行う処置として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 静脈路確保の指示要請をする。
2 喉頭鏡で異物の有無を確認する。
3 声門上気道デバイスの指示要請をする。
4 バッグ・バルブ・マスク人工呼吸を行う。
5 アドレナリン1mg静脈内投与の指示要請をする。
7 60歳の男性。突然胸痛を訴えたため家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数28/分。脈拍120/分。血圧130/80mmHg。
SpO2値98%。全身の発汗が著明である。心電図モニターを測定したときの波形を図
(別冊No.8)に示す。
このときの対応として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 汗を拭く。
2 保温をする。
3 緊張をやわらげる。
4 高周波フィルタを使用する。
5 周辺の電気器具の電源コードを抜く。
8 75歳の男性。畑仕事中にめまいが出現し、呂律がまわらないため家族が救急要請し
た。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数16/分。脈拍132/分、不整。血圧
128/60mmHg。SpO2値97%。数年前から糖尿病と不整脈とのため内服薬が処方され
ている。心電図モニター波形(別冊No.9)を示す。
この傷病者への適切な対応はどれか。1つ選べ。
1 酸素投与
2 血糖値測定
3 除細動パッド装着.
4 脳卒中対応医療機関の選定
5 静脈路確保及び輸液の指示要請
9 50歳の女性。夜間に息苦しさを訴え気管支拡張薬を吸入するが症状が軽減しないた
め救急要請となった。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数24/分。脈拍92/分、整。血圧180/92mmHg。
SpO2値92%。肥満(身長150cm、体重80kg)があり、高血圧と気管支喘息とのため近
医に通院中とのことである。
搬送中に適切な体位はどれか。1つ選べ。
1 仰臥位
2 起坐位
3 側臥位
4 頭部高位
5 足側高位
10 55歳の男性。自宅で胸部不快感が起こり治まらないため救急要請した。
救急隊到着時、路上で胸部を押さえて待っており、自力で救急車に近づいてきた。救
急隊はストレッチャーで車内収容し心電図モニター(Ⅱ誘導)を装着した。
その直後、傷病者の反応がなくなり下顎が引き下げられ口をパクパクさせるような
呼吸状態となった。その際の心電図モニター波形(別冊No.10)を示す。
救急隊が直ちに行うべき対応はどれか。2つ選べ。
1 胸骨圧迫
2 補助換気
3 血圧測定
4 高濃度酸素投与
5 除細動パッド装着
11 72歳の女性。末期大腸がんのため在宅で、塩酸モルヒネを中心静脈ラインから投与
されていた。痛みのコントロールが悪く、かかりつけ医が塩酸モルヒネの投与量を日々
増量していた。その後意識レベルの低下があり家族が訪問看護師を呼んだところ、以下
の観察所見であった。
意識JCS100。瞳孔は両側1mm。脈拍60/分、整。血圧72/40mmHg。SpO2値96%。
この病態で認められる呼吸パターンは図(別冊No.11)のどれか。1つ選べ。
1 A
2 B
3 C
4 D
5 E
12 20歳の女性。10日前から40°C台の発熱、頭痛および下痢があり、自宅で様子をみ
ていた。その後徐々に倦怠感が強くなり、前胸部痛と息苦しさも出現し、仰臥位のまま
動けなくなったため、救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS10。呼吸数36/分。脈拍48/分、不整。収縮期血圧
56mmHg(触診)。SpO2値95%。外頸静脈は張っている。除細動パッドを装着し、酸素
投与を開始し、SpO2値は99%に上昇した。心電図モニター波形(別冊No.12)を示す。
搬送中の適切な体位はどれか。1つ選べ。
1 仰臥位
2 起坐位
3 回復体位
4 足側高位
5 ファウラー位
13 83歳の男性。自宅で食事後、つまずき転倒し頭部を打撲したため家族が救急要請し
た。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数24/分。脈拍92/分、整。血圧142/62mmHg。
SpO2値96%前頭部に約5cmの挫創があり、左手首の痛みを訴えていた。転倒したこ
とを覚えていない。既往に糖尿病と心臓手術があり内服薬を処方されている。
救急隊が医療機関に伝える内服薬の情報として最も大切なのはどれか。1つ選べ。
1 利尿薬
2 降圧薬
3 抗凝固薬
4 亜硝酸薬
5 経口糖尿病薬
14 90歳の男性。COPD(慢性閉塞性肺疾患〉に対し在宅酸素療法を受けている。昨日、
酸素流量を1L/分から3L/分に増量した。自室で意識消失しているのを家族が発見し、
救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS100。呼吸数10/分。脈拍120/分。血圧140/84mmHg。
体温36.4°C。SpO2値93%
この傷病者に意識障害を生じさせた誘因はどれか。1つ選べ。
1 呼吸筋力の低下
2 死腔換気の増加
3 全身代謝の亢進
4 酸素飽和度の上昇
5 代謝性アシドーシスの進行
15 71歳の男性。自室で倒れているのを家族が発見し救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS100。呼吸数32/分。脈拍140/分、不整。血圧
80/30mmHg。体温38.5°C。SpO2値90%。右下肢の写真(別冊No.13)を示す。
数日前から右大腿の痛みと腫脹とを訴えていたという。
この傷病者の病態として最も考えられるのはどれか。1つ選べ。
1 心原性ショック
2 敗血症性ショック
3 神経原性ショック
4 心外閉塞・拘束性ショック
5 アナフィラキシーショック
16 46歳の男性。オートバイ運転中に電柱に衝突したため、目撃した通行人が救急要請
した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS3。呼吸数28/分。脈拍120/分、整。血圧100/74mmHg。
路肩に座り込んでおり、頸部に写真(別冊No.14)に示す所見を認める。外傷は胸壁前面
に打撲痕を認めるが、呼吸音の左右差や皮下気腫は認めない。四肢末梢に冷感を認める。
この病態で生じる生理学的変化はどれか。1つ選べ。
1 肺静脈圧の低下
2 心収縮力の低下
3 循環血液量の減少
4 心膜腔内圧の上昇
5 全身血管抵抗の低下
17 67歳の女性。昨夜から呼吸がしにくいと訴えていた。今朝になってピンク色の痰が
出たため、家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数32/分。脈拍110/分。血圧
180/110mmHgoSpO2値86%。全肺野で水泡音を聴取し、両下肢に浮腫を認める。
この傷病者について最も考えられる病態はどれか。1つ選べ。
1 後負荷が低下している。
2 前負荷が増大している。
3 肺水分量が減少している。
4 1回拍出量が増大している。
5 左室駆出率が上昇している。
18 60歳の女性。突然、胸から背中へ移動する痛みを訴えた後、左上下肢が動かなくな
り、家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS10。呼吸数18/分。脈拍96/分、整。血圧
100/62mmHg(右上肢)、208/120mmHg(左上肢)。体温37.2°C。SpO2値97%顔面を
含む左片麻痺と構音障害とを認める。頸静脈怒張を認めない。心音と呼吸音とに異常を
認めない。
この病態を引き起こした原因はどれか。1つ選べ。
1 右冠動脈の閉塞
2 胸膜腔の液体貯留
3 心膜腔の液体貯留
4 大動脈弁の機能不全
5 腕頭動脈の血流障害
19 80歳の男性。施設入所中である。「右手が動かない」とのことで救急要請した。出迎
えた介護士が次のように語った。
「変形性関節症のため、元々右下肢の痛みや動かしにくさがありました(A)。2、3日前
から少し元気がなく(B)、今朝は少し咳をしていました(C)。朝食を普通に食べ始めま
したが、途中から箸を持てなくなったといい出しました(D)。食欲もないようです(E)。
様子がおかしいので救急要請しました。」
介護士の言葉の中で、緊急性が高いと判断する根拠となるのはどれか。1つ選べ。
1 A
2 B
3 C
4 D
5 E
20 78歳の男性。旅行で長時間座席に座っていて立ち上がったところ、突然、呼吸困難
が出現したため救急要請された。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数36/分。脈拍126/分、整。血圧
80/54mmHgoSpO2値88%。
この病態の原因はどれか。1つ選べ。
1 ブラの破裂
2 肺胞の溢水
3 気管支の炎症
4 上気道の閉塞
5 肺動脈塞栓
21 50歳の男性。妻がトイレで倒れた夫をみつけ、救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数18/分。脈拍54/分、整。血圧96/62mmHg。
体温36.0°C。SpO2値99%。顔面蒼白と冷汗とを認める。側頭部に挫傷を認める。「排
尿中に目の前が白くなり気が遠くなった。」と訴える。
この病態の成因はどれか。1つ選べ。
1 髄膜への刺激
2 心収縮力の減少
3 頭部への強い衝撃
4 エネルギー源の枯渇
5 迷走神経系の活動亢進
22 60歳の男性。胸部不快感のため、救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数18/分。脈拍60/分、整。血圧172/96mmHg。
SpO2値98%胸部不快は5分で消失した。搬送中「胸が締め付けられるような感じが
する。」と訴える。救急車内収容時(A)と症状出現時(B)の心電図モニター波形(別冊
No.15)を示す。
原因となる病態はどれか。1つ選べ。
1 心筋の肥大
2 心膜の炎症
3 大動脈解離
4 冠動脈の血流障害
5 大動脈弁の機能不全
23 68歳の男性。ウォーキング中に動悸と息切れが発生したため通行人が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数24/分。脈拍72/分。血圧124/66mmHg。
SpO2値94%パルスオキシメータの波形(別冊No.16)を示す。
動悸を引き起こしたと考えられる不整脈はどれか。1つ選べ。
1 心室細動
2 上室頻拍
3 心房細動
4 心房粗動
5 洞性頻脈
24 48歳の男性。就寝中、左腰背部の激痛を突然訴え、家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数20/分。脈拍90/分、整。血圧142/68mmHg。
体温36.7°C。SpO2値98%。痛みは軽減しているが腰背部に叩打痛を認める。
この傷病者で最も考えられる疾患はどれか。1つ選べ。
1 急性膵炎
2 自然気胸
3 尿管結石
4 腰椎すべり症
5 腰椎椎間板ヘルニア
25 30歳の男性。いつもと様子が異なるため家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS2呼吸数24/分。脈拍90/分。血圧130/70mmHg。
体温38.1℃。SpO2値99%。名前、生年月日はいえるが、不穏状態で幻覚妄想がある。
頭痛とめまいとを訴え、左上肢の脱力を認める。既往は特にないという。
この傷病者で最も考えられる疾患はどれか。1つ選べ。
1 脳炎
2 脳梗塞
3 脳挫傷
4 脳出血
5 統合失調症
26 80歳の男性。発熱、悪寒戦慄および全身倦怠感を訴えたため家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数24/分。脈拍112/分、整。血圧110/82mmHg。
体温39.0°C。SpO2値94%前立腺肥大による排尿困難のため、かかりつけ医により1
か月前から尿道カテーテルが挿入され排尿バッグが接続されている。バッグ内には尿
が貯留し白濁している。
この傷病者で疑うべき疾患はどれか。1つ選べ。
1 慢性腎不全
2 急性腎盂腎炎
3 尿管結石
4 急性前立腺炎
5 尿道損傷
27 60歳の男性。自宅で動けなくなっているところを友人が発見し救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS3。呼吸数20/分。脈拍88/分、整。血圧100/82mmHg。
SpO2値96%。手足の筋力の著しい低下を認める。友人によれば、酒だけを摂取し食事
はほとんど摂れていなかったとのこと。1か月位前から疲労感、記憶力の低下および下
肢の異常感覚があり、1週前から起立が困難とのこと。
この病態の原因として欠乏が推定されるビタミンはどれか。1つ選べ。
1 葉酸
2 ビタミンA
3 ビタミンC
4 ビタミンB1
5 ビタミンB12
28 6歳の男児。気管支喘息に対して内服加療中である。本日昼食後に呼吸が苦しくなり、
母親が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数28/分。脈拍124/分、整。血圧90/72mmHg。
SpO2値95%(室内気)。眼瞼腫脹、皮膚紅潮および大腿部と前胸部とに膨疹を認める。
吸気時の喘鳴音を聴取する。
この傷病者で緊急性が高いと判断する所見はどれか。1つ選べ。
1 血圧90/72mmHg
2 SpO2値95%
3 眼瞼腫脹
4 膨疹
5 吸気時喘鳴音
29 70代の男性。2日前から全身倦怠感、手足に力が入りにくい症状を認め、本日歩行
不能となったため、家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS2呼吸数32/分。脈拍124/分、整。血圧80/62mmHg。
体温38.5°C。SpO2値96%(室内気)。四肢に熱感を認める。心電図モニター波形(別
冊No.17)を示す。昼に排尿したところ、赤黒い尿が出たことを聴取した。1週前から、
認知症に伴うせん妄に対して新しい薬が開始されたとのことである。
この傷病者への対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1 四肢の冷却
2 AEDの装着
3 整形外科への搬送
4 ブドウ糖溶液の投与
5 乳酸リンゲル液を用いた静脈路確保および輸液
30 生後4か月の乳児。呼吸が止まっているため、母親が救急要請した。
救急隊到着時観察所見意識JCS300。心肺停止状態。心電図波形は心静止。体温35.0℃。
皮膚は蒼白である。外表の異常は認めない。
20:00に哺乳させ、いつも通りにベビーベッドに寝かせ、就寝した。翌朝に哺乳をさ
せようとした時に顔色が悪く、呼吸をしていないことに母親が気付いたとのことであ
る。
この病態の発生リスク因子となるのはどれか。1つ選べ。
1 夏季
2 母乳栄養
3 仰向け寝
4 両親の喫煙
5 予定日通りの出生
31 32歳の女性。妊娠36週。下腹部痛で動けなくなり、自ら救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数24/分。脈拍92/分、整。血圧122/72mmHg。
SpO2値99%。すでに児頭が膣から出かかっており、救急隊到着と同時に児の全身が娩
出された。児は元気に啼泣し、全身はピンク色で、四肢を活発に動かしている。臍帯を
切断し、児の全身に付いた羊水を拭き取った。
次に行うべき対応はどれか。1つ選べ。
1 裸のまま救急アルミホイルで包む。
2 乾いたタオルで覆い、さらに救急アルミホイルで包む。
3 救急アルミホイルで包み、さらに乾いたタオルで覆う。
4 お湯で濡らしてしぼったタオルで覆い、さらに救急アルミホイルで包む。
5 救急アルミホイルで包み、さらにお湯で濡らしてしぼったタオルで覆う。
32 86歳の男性。乗用車運転中に誤って、ブレーキをかけることなく電柱に追突した。
受傷から30分後に車外に救出された。
救急隊到着時観察所見:意識JCS2呼吸数32/分。脈拍142/分、整。血圧76/58mmHg。
SpO2値98%。腹痛を訴えている。
胸郭動揺や皮下気腫はなく、外出血もみられない。頸静脈怒張は認めない。傷病者の
体表の写真(別冊No.18)を示す。
この傷病者のショックの原因として最も疑われる病態はどれか。1つ選べ。
1 腹膜炎
2 脊髄損傷
3 緊張性気胸
4 腹腔内出血
5 心タンポナーデ
33 60歳の男性。首を吊っているところを家族が発見し救急要請した。
救急隊到着時観察所見:傷病者はすでに家族により床に寝かされている。意識JCS300。
呼吸数6/分。脈拍120/分、整。血圧158/114mmHgoSpO2値90%。頸部に索状痕あ
り。
この傷病者への対応として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 回復体位にする。
2 胸骨圧迫を開始する。
3 警察が到着するまで現場で待機する。
4 静脈路確保及び輸液の指示要請を行う。
5 バッグ・バルブ・マスクによる補助換気を行う。
34 70歳の男性。転倒し左側頭部を打撲したため、通行人が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS10。発語あり。呼吸数20/分。脈拍84/分、整。血圧
168/84mmHg。SpO2値96%(室内気)。救急搬送中、急激に意識障害が進行し、JCS200
となった。瞳孔径は右5mm、左2mmである。同時に左片麻痺が出現した。
搬送中に意識レベルが変化した原因として、最も疑われるのはどれか。2つ選べ。
1 低酸素血症
2 鉤回ヘルニア
3 頭蓋内血腫増大
4 中心性ヘルニア
5 一次性脳幹損傷
35 20歳の男性。オートバイ走行中に自己転倒し、目撃者が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS30。呼吸数38/分。脈拍130/分、整。血圧83/44mmHg。
SpO2値88%。頸静脈怒張と右胸部の膨隆とを認める。頸部から胸部に握雪感がある。
聴診で右呼吸音が減弱している
この傷病者のショックの原因はどれか。1つ選べ。
1 右心房圧の低下
2 静脈還流の減少
3 末梢血管の拡張
4 心筋収縮力の低下
5 左胸腔内圧の低下
36 62歳の男性。建築作業中に約5mの足場から墜落し受傷し、同僚が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数32/分。脈拍120/分、整。血圧90/60mmHg。
SpO2値95%。右殿部痛および右下肢の外転外旋を認める。右下肢に圧痛・変形はな
い。ヘルメットを装着しており、頭部に外傷痕はない。胸腹部に圧痛はない。
この傷病者に対する対応で適切なのはどれか。1つ選べ。
1 下肢の副子固定
2 骨盤動揺の確認
3 骨盤固定具の装着
4 ログロールでの背面観察
5 セミファウラー位での搬送
37 77歳の女性。歩行中に自転車と衝突し転倒受傷した。目撃者が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数20/分。脈拍90/分、整。血圧140/80mmHg。
SpO2値98%。
右下腿に変形・動揺と外側に長さ5cmの創を認め、暗赤色の少量の出血を認める。
両足部の感覚障害はない。右下腿の写真(別冊No.19)を示す。
この傷病者に行う処置として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 冷却
2 AED装着
3 静脈路確保及び輸液
4 ターニケットによる緊縛
5 そのままの位置で副木固定
38 48歳の男性。80℃の水酸化ナトリウム溶液タンクを用いる化学工場で、誤って両下
肢がタンクに浸かって受傷したため同僚が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数32/分。脈拍124/分。血圧148/84mmHg。
SpO値100%。既に引き上げられており、着衣を除去した状態で座り込んでいた。接触
時の肉眼所見を図(別冊No.20)に示す。
この傷病者の病変と対応について正しいのはどれか。1つ選べ。
1 大部分がII度熱傷である。
2 病変は組織凝固しやすい。
3 受傷面積は9%程度である。
4 流水で洗浄してから搬送する。
5 酸性中和剤の浸漬ガーゼで保護する。
39 60歳の男性。入浴後、1時間経過してもあがってこないため息子が見に行くと、浴
槽内のお湯に顔面まで浸かった状態だったため救急要請した。
救急隊到着時観察所見:浴槽から出され洗い場で息子が胸骨圧迫を行ってい初期評価
では脈拍は触知でき、呼吸停止と判断した。
まず行う対応として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 頸椎保護
2 傷病者の搬出
3 胸骨圧迫の継続
4 除細動パッドの装着
5 バッグ・バルブ・マスク換気
40 70歳の独居男性。真冬の朝、隣に住む家族が屋内の廊下で倒れているところを発見
し救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS300。呼吸数6/分。脈拍40/分。血圧70/40mmHg。
体温測定不可(32℃未満)。SpO2値90%(室内気)。フェイスマスク酸素6L投与下で
92%。
この病態について適切なのはどれか。1つ選べ。
1 軽度低体温症である。
2 致死性不整脈が発生しやすい。
3 直近二次医療機関を選定する。
4 シバリングは高頻度に観察される。
5 ラリンゲアルマスク挿入の指示要請を行う。