1 92歳の男性。介護施設入所中。数日前から衰弱が進行し、本人と家族との希望で施
設で看取る予定であった。本日朝、突然痙攣を起こしたため、あわてた職員が救急要請
した。
救急隊到着時観察所見:心肺停止状態で、職員により一次救命処置が行われている。
心肺蘇生を続けたが、心電図では心静止が続いている。DNARの事前指示書がみつか
ったため、かかりつけ医に連絡したところ、「すぐに向かう」と回答を得たため、現場
で待機した。
この救急隊が現場で待機したことは「生命倫理に関する原則」のどれに該当するか。
1つ選べ。
1 自律の尊重
2 善行の原則
3 公正の原則
4 正義の原則
5 無危害の原則
2 56歳の男性。糖尿病と高血圧との既往がある。自室内で様子がおかしいことに家族
が気づき、救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS3。呼吸数36/分。脈拍88/分、不整。血圧
120/68mmHg。体温37.2°C。SpO2値92%
この傷病者の緊急度が高いと判断される根拠はどれか。1つ選べ。
1 意識
2 呼吸数
3 脈拍
4 血圧
5 体温
3 60歳の男性。工事現場でショベルカーのキャタピラで下肢を轢過され、同僚が救急
要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS2。呼吸数28/分。脈拍102/分。血圧78/56mmHg。
SpO2値測定不可。右足が高度に挫滅しており、創部を強く圧迫しても拍動性の出血が
続いている。右下腿の写真(別冊No.3)を示す。
この創部に対し次に行う処置はどれか。1つ選べ。
1 保冷剤で冷やす。
2 シーネで固定する。
3 大腿部を緊縛する。
4 水道水で洗浄する。
5 アルミシートで被覆する。
4 50歳の男性。自宅でテレビをみていたところ、急に胸が苦しいと訴えた後に意識を
消失し、家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS300。自発呼吸を認めない。頸動脈は触知しない。胸
骨圧迫を開始し、バッグ・バルブ・マスクで換気良好である。初期心電図モニター波形
(別冊No.4)を示す。特定行為の指示要請を行い静脈路を確保した。
最も優先して行うべき処置はどれか。1つ選べ。
1 血糖測定
2 口腔内吸引
3 電気ショック
4 12誘導心電図の伝送
5 アドレナリンの静脈内投与
5 80歳の男性。食事中に急に咳込み、荒い呼吸となり家族が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS1。呼吸数32/分。脈拍100/分、整。血圧160/88mmHg。
SpO2値93%努力様呼吸を認める。
聴診により吸気時喘鳴を強く聴取する部位は図(別冊No.5)のどれか。1つ選べ。
1 A
2 B
3 C
4 D
5 E
6 78歳の男性。腹痛を主訴に救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識清明。呼吸数28/分。脈拍108/分、整。血圧98/60mmHg。
筋性防御は認めず、黒色の軟便を失禁していた。
最も疑われる病変部位はどれか。1つ選べ。
1 胃・十二指腸
2 胆嚢
3 虫垂
4 結腸
5 直腸
7 5歳の男児。川で溺れたところを通行人が救出し救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS100。呼吸数24/分。脈拍80/分。血圧88/62mmHg。
SpO2値90%。目立った外傷所見はなく、口腔内に多量の水を認め、ゴロゴロ音がして
いる。
まず行うことはどれか。1つ選べ。
1 保温
2 胸骨圧迫
3 人工呼吸
4 AED装着
5 口腔内吸引
8 80歳の男性。レストランで食事中に突然苦しみだしたため、店員が救急要請した。
救急隊接触時、傷病者は椅子に座っており、喉に手を当て苦悶様の表情を呈している。
救急隊がまず行うべき対応として適切なのはどれか。1つ選べ。
1 酸素投与を開始する。
2 胸骨圧迫を開始する。
3 頸動脈の拍動を確認する。
4 声が出せるかを確認する。
5 気管挿管の指示要請を行う。
9 11歳の男児。学校で複数の友人に馬乗りをされて意識消失を認めたため教員が救急
要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS300。呼吸数24/分。脈拍100/分、整。血圧95/61mmHg。
SpO2値98%。顔面の写真(別冊No.6)を示す。
この病態にみられる特徴的な観察所見はどれか。1つ選べ。
1 陥没呼吸
2 腹部の膨満
3 頸部の索状痕
4 眼瞼結膜の点状出血
5 鼻出血のダブルリングサイン
10 40歳の男性。炎天下での農作業中にめまい、筋肉痛およびあくびを認めていた。そ
の後倒れたので妻が救急要請した。
救急隊到着時観察所見:意識JCS10。呼吸数18/分。脈拍120/分、整。血圧100/60mmHg。
体温38.9°C。大量の発汗を認める。
この傷病者が重症と判断する根拠はどれか。1つ選べ。
1 めまい
2 筋肉痛
3 あくび
4 JCS10
5 大量の発汗